2022年11月30日 15:59

日本女子大学は、11月10日、文京区と災害用の協定を結んでいる妊産婦・乳児救護所の開設訓練を行った。本救護所は、地震等による家屋の倒壊、又は倒壊の恐れがある場合に、妊産婦・乳児のみを一時的に受け入れる場所。2016年、文京区では、全国で初めて本救護所の設置を決定。本学は文京区と災害協定を結び、開設の指定を受けている4大学のひとつとなっている。
2016年の熊本地震では、文京区長から熊本市長へ乳児のいる母子専用避難所のアイデアを提案した経緯があり、実際に乳児をもつ母親のための避難所が開設された。しかし準備・周知が充分ではなく、想定していた活用がなされなかった実情がある。そこで本学は、事前に準備することでスムーズな本救護所の設置を実現するため、文京区と協力して専用の開設キットを開発し、内容の検討を重ねてきた。
今回の訓練では、その研究結果を反映した改訂版開設キットの有効性を、実際に担当する区職員と大学職員が検証した。訓練では、各班への業務指示、施設内外の安全点検、掲示物の貼り出し、受付の設置、医療スペースの準備、災害時用トイレの準備、居住スペースの設営などを実施。参加者からは「リーダー担当は報告を受けるだけで各班の動きを把握できないので、各班の動きを体験する機会が欲しい」「利用できない方に案内する一般避難所の地図の掲示が必要ではないか」などの意見が寄せられた。