2022年11月11日 10:01

丸紅ネットワークソリューションズは、沖電気工業(OKI)と共に「踏切滞留AI検知システム」を西武鉄道に納入した。
同システムは、2021年12月より開始した西武鉄道での導入試験を経て、2カ所の踏切で11月14日より本格運用を開始する。現在、踏切での障害物を検知する方法として踏切支障検知装置があるが、主に「自動車」を検知対象にしているため、これまでは人道踏切内に人が取り残された場合、その場に居合わせた他の人による非常ボタンの押下が列車の運転士に異常を知らせる唯一の方法だった。
同システムは、骨格検知技術やAIエッジ技術などを活用し、踏切に設置したカメラの映像をその場で高精度かつリアルタイムにAI画像処理することで、踏切遮断桿降下後に踏切内に滞留する人や自動車を検知し、直ちに特殊信号発光機と連動して接近する列車の運転士へ異常を知らせることができる。これにより、踏切内での人、車の滞留による事故の未然防止につなげることが可能だ。また、同システムでは、汎用カメラなどを使用するため、設置が容易かつ比較的安価に導入することができる。現地に設置された機器は、AI画像処理による滞留の検知から特殊信号発光機の連携までをインターネットなどを利用せずに独自の通信網で動作。これにより、踏切での滞留が発生した場合、通信障害などの影響を受けることなく、運転士へ異常を知らせることが可能となる。さらに、同システムのカメラにより指令所などの遠隔地からも現場の状況を確認することができるため、事故の未然防止を支援する。