2022年10月17日 09:15

凸版印刷と、全日本科学技術協会(JAREC)、放電精密加工研究所の3者は、難処理プラスチックの、物性を維持した状態でリサイクル可能な新技術を開発し、社会実装することを目的とした高度マテリアルリサイクル研究会を発起人として設立した。
日本においては現在、多くの廃プラスチックがサーマルリサイクルされ、その熱が活用されている。しかし、近年、地球温暖化対策や石油資源の有効活用の観点から、その廃プラスチックを焼却処理だけでなく原材料として再利用するためのリサイクルのスキームを構築することが喫緊の課題となっている。日本で排出される廃プラスチックのうち、約50%は容器包装由来のもの。中でもプラスチックフィルムを使用する軟包材においては、内容物の保存性の向上やレトルト調理への対応などのため、高いバリア性などの機能性が求められることから、アルミ蒸着フィルムをはじめとする、リサイクルが難しい複合プラスチック製品が多く使用されており、それらをリサイクルする技術やリサイクルスキームの構築が求められている。
同研究会は、従来リサイクルが難しいとされた、アルミ蒸着フィルムを含む複合プラスチックを対象とし、そのリサイクル技術の確立と社会実装を目的に設立された。難処理プラスチックを、水の飽和水蒸気を利用し、プラスチックを溶解させると同時に強制的に分散させる「MF式混合溶融技術」を活用することで、難処理プラスチックのリサイクルスキーム構築とリサイクル製品を拡充し、社会実装を目指す。また、地方における資源循環の課題解決と地域活性化にも取り組む。