2021年04月23日 12:22

KAICOと奄美養蚕は、持続可能な社会に向けた未利用資源再生・循環パートナーシップ契約を締結した。
KAICOは、難発現タンパク質の医薬品・診断薬・試薬を開発することを目的に、2018年4月に設立した九州大学発のベンチャー。同社は、九州大学のオリジナルカイコを利用した技術で難発現性タンパク質を大量生産できる生産プラットフォームを商業的に構築。再生医療用研究試薬やワクチン、診断薬などを低コストで生産できるシステムの実現に取り組んでいる。
奄美養蚕は、2011年の創業以来、絹(シルク)を主原料としたスキンケア商品および健康食品等の原料の開発・製造に使用されているシルクを生産してきた。同社が本社をおく鹿児島県奄美大島は、約1000年以上前より養蚕と絹織物の歴史があり、主に着物等の繊維素材として用いられてきたシルクは、新しい時代のバイオ素材として医療分野で大きな注目を集めている。同社は、一般種に加えて、経済産業省認可を受けた高機能種の養蚕など、次世代養蚕に取組んでおり、バイオ素材としてのシルクの可能性を追求。また、奄美独特の桑種の品種化に取り組んでおり養蚕を通した地域活性化にも力を入れている。
今年度より奄美養蚕の作業過程において廃棄処分されていた繭を生産するための蛹をKAICOにて全量引き取り、経口ワクチン等の原料に利用することに合意し、今年は約10万頭のカイコを見込んでいる。今後は資源の再利用を目的としたパートナーシップの拡大も検討しており、製品開発においても連携の可能性を視野に入れ、取り組んでいく。