2025年10月20日 15:35

出光興産が開発する宇宙用CIGS太陽電池が搭載された超小型衛星「BOTAN」が、10月10日(日本時間)に国際宇宙ステーション(ISS)から放出され、予定されていた初期ミッションを達成した。

初期ミッションの一つとして、同社が開発する宇宙用CIGS太陽電池の宇宙実証が行われ、宇宙空間において「BOTAN」へ電力の供給ができていることが確認された。「BOTAN」は1辺10cmの立方体サイズ・約1kgの「キューブサット」と呼ばれる超小型衛星。千葉工業大学の学生が「高度技術者育成プログラム」(宇宙産業の基盤を支える高度技術者の育成プログラム)の一環として開発した。

世界の宇宙産業が拡大する中、日本でも旧来の宇宙企業に留まらず、多くのベンチャー企業が宇宙ビジネスのアイデアを提案し活動を開始している。千葉工大では確実に実現できる衛星づくりを可能とする技術者を育成するために、2021年4月より「高度技術者育成プログラム」を行っている。「BOTAN」は本プログラムのもと開発された超小型衛星の4機目で、同社が開発する宇宙用CIGS太陽電池は非常に高い放射線耐性を持つ点が評価され、搭載に至った。

同社は本実証を通し、宇宙用CIGS太陽電池セルの宇宙空間における特性の確認と発電の安定性の検証を行う。また、この検証結果を踏まえながら、宇宙用CIGS太陽電池の市場参入に向けた開発を加速し、持続可能な宇宙開発への貢献を目指す。