2025年09月30日 16:44

南海電鉄において、運転士の視認性向上と疲労軽減による安全性向上を目的に、山本光学のSWANSブランドの「運行業務者用防護めがね」が正式採用された。本製品は10月1日より順次、本格導入される予定。

本製品の可視光線透過率約40%・偏光度90%の偏光レンズは、耐衝撃性に優れ、傷つきにくく、軽量なポリカーボネート製。内側マルチコートで眩しさや映り込みを軽減しつつ、日本人に適した明るめのライトスモークレンズで、建物や跨線橋などの日陰に入った際でも暗く感じにくい。

またJIS T7333「屈折補正用眼鏡レンズの透過率の仕様及び試験方法」に基づいた光学試験をクリア。信号機で使用される赤・黄・緑・青の4色に対して必要な視認性を確保している。トンネル突入時や地下通過の際は、手でレンズを跳ね上げれば即座に裸眼の状態となり、明るい視界を確保。フリップアップ機能が、トンネルや地上線の出入りなど、明順応や暗順応への素早い適応をサポートする。

導入に先立ち、2024年9月および11月には、南海電鉄の協力のもと、同運転士による着用試行を実施した。試行に参加した運転士は、軽量設計による快適な装着感や高い耐衝撃性・耐久性を備えたフレーム構造を高く評価。「偏光レンズが反射光を抑えるため、信号の識別がしやすくなった」「直射日光によるまぶしさが軽減され、眼の負担が軽くなった」といった声が多数寄せられている。

なお、本製品の着用は任意であり、運転士が業務内容や状況に応じて必要と判断した場合に着用する。