2025年09月29日 16:17

栗田工業株(クリタ)は、FREDsenseと協業し、同社が開発したPFAS濃度測定用モバイル分析キット「FRED-PFAS(TM)」の、クリタグループが提供する水処理装置内への導入を通じた普及を目指す。

PFASは、人工的に作られた有機フッ素化合物の総称で、水や油をはじく効果や高い耐薬品性・耐熱性から、工業用から消費者向けまでさまざまな製品に使われている。しかしながら、PFASの一部は、発がん性や子どもの成長への影響などの有害性が指摘されていることから、近年欧米を中心に水質規制・製造規制の厳格化が進んでいる。

日本においても2026年度から、PFASのなかでも特に有害性が指摘されているPFOAおよびPFOSに対し、水道水水質基準化と定期的な検査の義務化が予定されている。これらを背景に、さまざまな産業において、工場等における用水や排水のモニタリングとして、PFAS濃度を現場で迅速に測定することへのニーズが高まっている。

同社では、FREDsenseと協力し、本キットを用いた実排水をサンプルとしたPFAS濃度測定を通じ、分析精度の正確性の調査、ならびに、キット自体の堅牢性や操作性、潜在的な用途の可能性などの分析や検討を実施してきた。その結果、簡易な操作で実排水における高い分析精度を示すことを実証。それとともに、従来はサンプル輸送や前処理を含めて2~3週間程度を要していた分析結果が、本キットを用いることにより数時間で入手可能になることを確認した。