2025年09月03日 19:52

岐阜県飛騨市は、ふるさと納税を活用して、飛騨市宮川町にある先人の知恵の結晶「茅葺き民家」の保存、活用の取組みを進めている。

岐阜県飛騨市では令和2年度から飛騨市ふるさと納税の使途メニューの一つとして寄附を募り、令和6年度までに6000万円余りの寄附が集まった。ふるさと納税を活用して、令和6~7年度にかけて修復事業を実施。基礎を修復して建物を水平に戻すことができた。今後は屋根の葺き替えを計画しており、引き続き寄附を募る計画だ。

かつて飛騨一帯で多く見られた茅葺き合掌造り民家。「旧中村家」は今や飛騨市宮川町に唯一残るもの。明治初期に建てられたもので、当時の典型的な農家建築と位置付けられ、市の文化財(有形文化財-建造物)に指定されている。この茅葺き民家「旧中村家」は飛騨みやがわ考古民俗館にある。平成2年に当時の宮川村(今の飛騨市)に寄贈され、平成3年に宮川町洞から移築。現在は野外展示されている。この茅葺き民家を含む飛騨みやがわ考古民俗館は、豊富な民俗資料と考古資料から飛騨の人々がいかに山間部で生きてきたかを学ぶことができる施設となる。

このプロジェクトは、ただ屋根を修復するだけではない。150年の歴史が息づく茅葺き民家を、市内外の方が交流する拠点とし、「過去」から継承されてきた文化財を「今」を生きる人々が「未来」へと繋ぎ、交流の場としてこの民家を守るために取り組んでいる。

飛騨市公式サイト