2025年09月01日 15:16

イトーキは、日立、トクヤマと、資源循環型社会の実現をめざして、太陽光パネルから回収した板ガラスの家具部材へのアップサイクルを実証した。

太陽光パネルに使用される板ガラスは重量の約6割を占めており、太陽光パネルのリサイクル率の向上には板ガラスの高付加価値な再利用が重要。現状では、粉砕して路盤材やガラス原料として活用する方法が検討されている。一方、板ガラスをそのままアップサイクルできれば新たな価値創出が期待されるが、長期間の屋外使用による「亀裂」や「アルカリ溶出」などの品質劣化を評価せずに再利用することは安全性や耐久性の面で課題となっていた。

本取り組みでは、トクヤマの低温熱分解法で高品質な板ガラスを回収し、日立の非破壊強度推定技術により「亀裂」や「アルカリ溶出」などの劣化の影響を評価することで、板ガラスをそのまま再利用することを可能にした。

さらに、イトーキは、回収した板ガラスの個性を活かした会議ブースを試作し、再生材の新たな価値を提案している。これにより、オフィスや公共空間において、環境配慮と美しさを両立したサステナブルな空間づくりが可能となり、利用者は社会貢献とデザイン性を併せ持つ新たな価値体験を得られる。

本取り組みは、太陽光パネルから回収した板ガラスを粉砕せずにオフィス家具に再利用する初めての事例。廃棄物削減とともに、新規にガラスを製造する場合と比較してCO2排出量最大50%の削減が見込まれ、持続可能な社会インフラの構築を後押しする。