2025年08月28日 16:10

環境問題に関する調査・研究や政策提言を行う地球・人間環境フォーラム(GEF)は、ウェブサイト「バイオマス発電info」を公開した。

バイオマス発電は、日本のFITで「再エネ」の一つとして支援され、急速に拡大してきたが、その約7割は、海外から輸入される木質ペレットやパーム核殻(PKS)が燃料。GEFでは、特に木質ペレット生産地の森林生態系や気候変動への影響という観点から、FITに対する政策提言と木質ペレット生産現場の問題を日本で伝える活動に取り組んでいる。

木質バイオマスの燃焼によるCO2排出は石炭より多く、企業の国際的な炭素会計基準であるGHGプロトコル等では算定・報告を求めているが、FIT制度ではゼロカウントとされている。また、海外の燃料生産地では、原生林や天然林の伐採とペレット生産との関係、ペレット工場での膨大な環境法令違反などが明らかになってきたが、FIT制度の見直しは遅れ、また既に低炭素電源としてバイオマス発電への投融資は進んでいる。

「バイオマス発電info」は、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)で支援されている輸入木質バイオマスが、再エネとして「持続可能」なのかを検証できる情報を提供。カーボンニュートラルで地産地消とされる木質バイオマス発電の気候変動対策としての有効性や、燃料生産地における環境・社会への悪影響などをわかりやすく解説。「輸入木質バイオマス発電」をFIT制度で支援することが本当に「持続可能」と言えるのかを考える。