2025年07月14日 15:43

リモート・センシング技術センター(RESTEC)は、人工衛星データとAI、GIS技術を用いて上水道の漏水の可能性があるエリアをマッピングする「mizuiro」のサービス提供を開始した。
国土交通省の調べでは、令和3年度時点で日本の水道管路74万kmのうち、22.1%が法定耐用年数を超え、また、全国各地で上下水道管に関する事故が度々発生している。しかしながら、従来の音聴による漏水調査手法は、経験と多くの人員を要するため、広域に張り巡らされた全ての上下水道管を維持管理し事故を未然に防ぐことは困難だった。
本サービスは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の人工衛星「だいち2号」「だいち4号」のデータを用いて、湿潤な日本の土壌を考慮したAI解析による結果を提供。地域に特化した推定モデルに対応する。上水道管上の表層近くの湿ったエリアを、同様のサービスでは最高水準となる10m×10mメッシュの高解像度でマッピングし、漏水の可能性があるエリアを絞り込む。加えて、解析結果の位置精度も6m程度と非常に高精度で、漏水調査の効率化が期待される。さらに、管路属性(敷設年、管種、口径など)を用いて更に絞り込むことも可能。
2023年に行われた福岡市による実証実験(先端技術公共調達サポート)では、実証対象エリア内13カ所の漏水のうち7カ所を検出し、有識者等で構成される検討委員会で「スクリーニングの効果あり」と評価された。