2025年06月30日 16:38

コグニティは新潟青陵高校とともに、生徒の「話し合い力(対話力)」を科学的に育成する実証実験を実施した。
コグニティが2024年に実施したコミュニケーション調査によると、Z世代は「自信のないことや準備していない内容には発言しない」という傾向が明らかになっている。非同期・非対面のやりとりに慣れた世代にとって、突然の対話や議論への参加は心理的ハードルが高いことが課題となっていた。
そこで、新潟青陵高校では通信制課程の開設にあたり、生徒が「話し合いの型」を事前に理解し、安心して参加できる環境の整備に着手。議論内容をAIで分析し、具体的な改善点や長所を数値とグラフで示すプログラムを共同で開発した。
今年1月、教員と生徒によるディスカッションデータ(計4件)をAIで分析し、「良いディスカッション」に見られる構造的特徴を抽出。これをもとに、生徒一人ひとりに合わせたフィードバックレポート「COG-DISCUSS(コグ・ディスカス)」を開発した。レクチャー前と後で、高校生たちの議論の内容がどう変わったかを分析。結果として、メンバーの発言量が平均約83%増加し、話題の発散が減少。また「問いかけの質」が向上し、議論の双方向性が強化された。
新潟青陵高校の通信制課程は、今後さらにコミュニケーションスキルなど持ち運び可能なスキルである「ポータブルスキル」の育成に力を入れていく方針。