2025年06月30日 15:41

レンタルのニッケンは、清水建設と共同で、周囲に障害物がある環境下でも観測点の微小な変位を検出できる高精度GNSS動態観測システム「GeoLoc(ジオロック)」のレンタル事業を開始した。
地すべりやインフラ構造物の動態観測には、従前からGNSS(全地球測位衛星システム)が活用されている。ただし、観測対象の周囲に樹木や建築物等の障害物がある場合、衛星からの信号が遮られたり、反射波が発生したりするため、測位精度が著しく低下してしまうという課題があった。更に、GNSSの一般的な測位精度はセンチメートルオーダーであるため、地盤やインフラ構造物の微小な変位を捉えることは困難。
「GeoLoc」は、RTK方式の衛星測位技術を用いて観測点の位置情報を常時取得し、測位データの経時変化を観測するシステム。測位には、清水建設と東京海洋大学が共同開発した独自のRTK-GNSS測位アルゴリズムを採用しており、基準点と観測点の2カ所で測位を行う。
宇宙空間から発信された複数のGNSS信号のうち、基準点の既知の3次元座標との誤差が大きい信号を検出・除去することで、衛星電波を受信しづらい環境下でも信頼性の高い解析結果を導出。上空視界が制限された環境下でも誤差数mm~1cmの高精度測位(壁測位)を実現できる。今後、工事中の切土・盛土や、トンネル工事の坑口監視、インフラ構造部の動態観測などへの適用を視野に、事業展開を進めていく。