2025年05月16日 16:27

中京大学らによる共同研究で、自律感覚絶頂反応(ASMR)における知覚統合の重要性が指摘された。さらに、 ASMR動画は自然環境映像よりも副交感神経系を活性化させる効果があることが明らかになった。
ASMRとは、特定の映像を視聴することによって、頭⽪や⽿元、⾸筋に生じるゾクゾクするような⽪膚感覚を指す。一般に、ASMR体験を通じて心地よさが得られるが、自然環境映像による心地よい体験との違いについては、これまで十分に検討されていなかった。
本研究では、2つの実験を実施した。大学生の男女計66名に実験への参加を依頼して、様々な ASMR動画あるいは自然環境映像を視聴してもらった。視聴中の参加者はゾクゾク感や心地よさの程度を継続的に報告した。
その結果、視覚と聴覚の知覚統合がASMR体験において重要であることが示された。さらに、主観的な心地よさは自然環境映像のほうが高かった一方、ASMR動画は副交感神経系をより強く活性化させることが明らかになった。
これらの成果は、ASMRが生じるメカニズムの解明と、その効果の科学的証明に資するものであり、ウェルビーイングへの貢献が期待される。本研究成果は、5月8日オンライン公開の Neuroscience of Consciousness 誌に掲載された。