2025年05月12日 16:03

NTT、NTT東日本、NTTアグリテクノロジーは、圃場にある収穫ロボットをネットワーク越しに遠隔操作し(秋田-東京間直線距離約400km)、イチゴを収穫する実証実験を行った。本実証実験では、ネットワークの品質状況に応じたリアルタイムな動作制御により、高い操作性を維持した遠隔収穫作業が可能であることを確認した。

これまでのスマート農業は、主に水やり、追肥などの量や時期を最適化することで収穫量の安定化を図るものだったが、農作業の多くは、依然として人手に頼っているのが現状。そのため、農業用ロボットによって農作業の稼働を削減することが求められている。特に、植物を扱う農業では、収穫や農薬散布などの作業を一律に自動化することが難しいため、人の判断を伴う遠隔操作ロボットの活用が重要となる。

本実証では、農作業支援者が遠隔地から収穫作業を行うことを想定し、操作性に優れた収穫ロボットの遠隔操作実証に挑戦した。東京都の収穫ロボット操作者がネットワークを通じて伝送されたカメラ映像を見ながら、秋田県の圃場にあるイチゴを収穫するロボットを遠隔操作する環境を構築。収穫ロボットのカメラが撮影した映像を画像処理用サーバがイチゴの収穫適否を判定し、その結果を映像に追加する。

操作者はモニタに表示された収穫適否の情報が表示される映像を見て、ロボットを遠隔操作して秋田にあるイチゴを収穫。被験者の5名全員が、本機能による操作性の改善を実感したと評価した。