2025年03月31日 15:52

ヤンマーホールディングスと北三陸ファクトリーは、4月1日より「ウニ陸上養殖システム」の構築において実証事業を本格化。国内外で展開可能なウニの短期陸上養殖技術を確立する。

北三陸ファクトリーでは、海の砂漠化「磯焼け」を防ぐために駆除・廃棄されていた実入りの悪いウニを採捕。ウニ用生簀へ収容、短期間の給餌により、実入り、色、品質を大幅に改善し、天然ウニと遜色のない美味しさの実現に成功した。これにより、本来ウニが流通しない秋冬にも出荷が可能となる。

この仕組みは、北海道大学大学院水産科学研究院 浦和寛准教授らと7年以上の月日をかけて開発したもの。ウニの短期実入改善システム「UNI-VERSE systems(R)」を実現するための、ウニ用飼料「はぐくむたね(R)」と生簀・水槽の構造は、北三陸ファクトリーの特許技術。

一方、ヤンマーグループでは、いけすや水槽洗浄機などの養殖関連設備や二枚貝種苗など、陸上養殖に関するテクノロジー・商品を有している。これらのノウハウを生かし、4月1日より北三陸ファクトリーとヤンマーHDで「ウニの陸上飼育を効率化する技術開発」を開始する。

今春より岩手県洋野町に建設開始し、秋に竣工が予定されている北三陸ファクトリーの大規模陸上水槽にて、ヤンマーの流体解析や水槽内自動洗浄技術により飼育環境制御の最適化を目指す。「UNI-VERSE systems(R)」への適用を進め、品質の高い輸出用ウニの飼育環境の構築を目指す。