2025年01月31日 19:32

日本財団と日本水路協会は、能登半島北部沿岸域における、地震・豪雨後の海底地形や堆積物の変化について調査内容を発表した。本調査は、2022年より日本全国の海岸につづく浅海域を測量・地図化する「海の地図PROJECT」の一環。大きな隆起を伴う地震前後で沿岸浅海域での詳細な海底地形データ取得に成功したのは、本調査が世界初となる。

能登半島北部において、2024年1月1日の地震が発生する前の2022年9、10月と、発生後の2024年4、5月に調査を実施。外浦の沿岸総距離約225kmの海底を測深したところ、最大約5.2m隆起していること、また最大4.3mが水平方向に動いていることが分かった。

海底の地形については、単に全体的に一様に隆起しただけでなく堆積物が大きく移動していることが確認され、これにより大きな地形の変化も確認できた。堆積物の移動については、津波、または地震後の水深の変化にともなう波浪の影響によって発生したと考えられ、新たな岩場が出現しているような場所もあった。

今回の調査で、地震後に海底が単に隆起したのみならず、新たに岩礁が現れたこと、海底の堆積物が大きく移動していたこと等を確認。また9月の豪雨後は、海底が広く泥に覆われ、一部の海底では陸から流出した土砂が厚く海底に堆積していたが、ホンダワラ類等の海藻が生きていることも確認された。新たな岩礁の出現を確認した本調査成果は、生態系に壊滅的ダメージがあった能登半島北部の漁業等の復興につながることが期待される。