2024年12月05日 15:49

DICと日立は、合成樹脂製造プラントの運転自動化を図るデジタルツイン技術として、プロセス・インフォマティクスを活用したシステムを実用化。DICの国内プラントで来年1月から本格稼働する。

従来、プラントの現場では、サンプリングした製品の状態や品質を確認・監視しながら、熟練者がDCS操作値の補正や追加操作により反応を制御している。本システムはAIなどを用いた反応予測モデルにより、サイバー空間上にプラントの運転状況を再現。同時に、プロセス・インフォマティクスの活用で、目標とする品質値に向けた調整タイミングや投入量を決めるための最適な運転条件を導き出し、それらをフィジカル空間(現場)にフィードバックすることを可能にした。

これにより、現場でのサンプリング確認回数の低減、品質の安定化、作業員の作業効率向上、新製品導入時の立ち上げ期間短縮に寄与し、フロントラインワーカーの負担軽減と生産性向上の実現に貢献する。DICと日立は今後、本システムをDICの国内3拠点、海外1拠点へ展開していく予定。

システムの本格稼働を皮切りに、DICはこれまでDIC社内で開発してきたAI技術の権利化をより積極的に進める。また、日立とともに、バッチ生産における巡回点検や原料の搬出入作業のロボティクス化、各システム間のデータ入力作業や生産計画立案の自動化など、高度な自動製造システムの実現をめざす。さらに、製造実行領域のみならず、サプライチェーンを含めた全体の最適化・効率化に向けた取り組みも検討していく。