2024年09月19日 15:48

レゾナックは、半導体デバイスの製造工程(前工程)や半導体パッケージング工程(後工程)において、ウエハ等をキャリアに一時的に固定するための仮固定フィルム、およびその剥離プロセスを新開発した。

先端半導体の前工程、後工程では、作業性向上のため、ウエハやチップは仮固定材でガラスなどのキャリアに一時的に接着される。そして、さまざまな加工プロセスを経た後、ウエハやパッケージは仮固定材とともにキャリアから剥離される。このため、仮固定材の性能としては、あらゆる加工プロセスへ適合することに加えて、残った仮固定材を容易に除去できることが求められる。また、剥離方式としては、高い歩留まりと生産性を実現するために、ウエハやパッケージにダメージを与えることなく、短時間で剥離できることが必要。さらに、昨今、後工程においても前工程と同様にクリーンなプロセスが求められており、一般的なレーザー照射による剥離方式で発生する「すす」が課題となっていた。

本技術は、キャリアからウエハ等を剝離するために、キセノン(Xe)フラッシュ光照射を利用しており、ウエハサイズからパネルサイズまで適用可能。また、一般的なレーザー照射に比べ、短時間、かつ「すす」のような異物を出さずに剥離できるクリーンな技術であり、日本、米国、韓国、中国、台湾地域で、特許を取得している。

同社は新規仮固定プロセスの構築を共に進めていける開発パートナーを探すとともに、新規仮固定フィルム、およびその剥離プロセスの市場展開を目指す。