2024年08月09日 15:53

東洋ガラスおよび不動テトラが大阪府に提案した「イオンカルチャープレートを用いたワカメ場造成」が、「大阪府万博会場周辺海域ブルーカーボン生態系創出事業」に採択された。
東洋ガラスと不動テトラが共同開発したイオンカルチャーは、海洋植物の生長を促進する二価鉄やケイ酸、リン酸イオンといった成分が、ゆっくりと水に溶け出すよう成分調整を行ったガラス製品。プレート形状で、テトラポッドへの装着など施工が容易。また約3~10年間、海藻類や植物プランクトンに必要な成分を溶出。さらに耐久性に優れ、溶出期間の制御が可能であり、全国60カ所以上の漁港や防波堤に採用されている。
本事業に使用されるイオンカルチャープレートは、イオンカルチャーを表面に配置したモルタルプレートで、港や岸壁のテトラポッドの表面に取り付けて海藻の生長を促すことで、ブルーカーボン生態系の構築に寄与する。対象海域は窒素やリンなどの栄養塩濃度が高い一方、鉄の濃度が相対的に低い。海藻類の生長に必要な鉄、ケイ素などを溶出するイオンカルチャープレートをテトラポッドに取り付け、生長を促進することで早期の藻場造成を目指す。また、ワカメの種糸や母藻を天然素材の網袋などにいれたスポアバッグをイオンカルチャープレート周辺に取り付け、ワカメ胞子の供給源とする。
2024年12月より設置を開始し、設置後は、潜水目視観察により被度(生育海藻が一定面積のブロック表面を覆う割合)の調査を年2回実施する。