2024年07月25日 15:48

インテージヘルスケアと新潟大学は、AIを活用したメガリン拮抗薬の開発に関する共同研究を開始した。
この共同研究は同社が実施する「インテージヘルスケアAI創薬アカデミックプログラム」の一環。本プログラムでは、AI創薬プラットフォーム「Deep Quartet」などAIによる計算アプローチにより、新薬開発の化合物探索及び化合物デザイン等を実施。アカデミアの持つ研究テーマにおいて医薬品候補化合物を見出す共同研究によるスタートアッププログラムとなっている。
メガリンは腎臓の近位尿細管細胞に発現する受容体タンパク質で、腎臓に取り込まれる腎毒性物質の「入り口」を司る。慢性腎臓病(CKD)および急性腎障害(AKI)の予防や治療のための重要な創薬標的として注目されている。メガリン拮抗薬は、腎毒性薬剤のメガリン結合を阻害するもので、広範囲の腎疾患に適応される可能性がある。
同大学腎研究センター 機能分子医学講座の斎藤亮彦教授らは、急性腎障害の発症に関わるメガリンを標的とした創薬研究に取り組んできた。今回の共同研究では、インテージヘルスケアがメガリンの立体構造やリガンド情報を用いて、AI等を使用したインシリコスクリーニング技術により新規化合物の探索・デザインを行う。新潟大学ではデザインされた低分子化合物の評価実験等を行うことで、メガリンを標的とした拮抗薬の創製を目指す。