2024年07月09日 16:22

ニコン・トリンブルと八千代エンジニヤリングは、AIを活用し橋梁などのコンクリート構造物におけるひび割れなどの劣化状況の継続監視を可能にする「劣化の進行評価技術」を共同開発した。
橋梁などの道路構造物は5年に1度の定期点検が義務付けられている。その点検は肉眼による近接目視を中心に実施されており、損傷図の作成や、過年度の点検結果との比較などによる劣化の進行把握などは人的に行う必要があった。
AIによる損傷検知や損傷図の作成システムなどは活用され始めているが、一方、劣化の進行評価においては、人的な作業ゆえに見落としや進行状況の判断ミスなどが起こりえる。また土木業界や建設コンサルタント業界は、日本の人口減少に伴い人手や担い手不足の懸念がますます深まり、このようなインフラ構造物の点検などを担う作業員や点検員が不足している。
そこで両社はこのような状況に注目し、劣化診断(劣化の進行評価)を人の手によらずに定量的・適切に分析・評価することを目指して本技術を開発。ドローンに搭載されたカメラを含むデジタルカメラで撮影したコンクリート構造物の画像から、AIと画像処理技術を用いてひびわれ損傷箇所とその大きさを定量的に把握。ひびわれ損傷の劣化進行具合を画像と数値で視覚化する技術を開発した。
肉眼などによる確認、過去の損傷図との比較など現行の属人的な作業がデジタル化され、インフラ維持管理の高度化・効率化が可能となる。