2024年07月03日 15:58

Thinker(シンカー)は、ユアサ商事と共同で、近接覚センサーを活用して、クッキーや煎餅のような食品や薄型の樹脂成型品、金属部品などに最適な独自のロボットアームシステムを開発した。破損などのリスクやコストの高額化が原因でこれまで実現が難しいとされてきた「薄く壊れやすいプロダクトのピッキング」が可能となり、たとえば外観検査の自動化も促進させることができる。

昨今、製造業では人手不足の対策として、協働ロボットを用いた生産工程の自動化がテーマとなっている。しかし、クッキーや煎餅、薄型の樹脂成型品、金属部品のような一部の繊細なプロダクトに関しては、従来のカメラシステムに頼ったロボットハンドでは対象物に対する距離感の把握が難しい。破損や損壊などを引き起こすことも多く、「一部の自動化」にとどまっているケースも散見された。

そこで両社は、吸着パッドを用いつつ、その場でそのつど非接触のまま対象物の距離や姿勢を把握できるThinkerの「近接覚センサー」を活用することで、破損や損壊リスクを大幅に軽減。低コストかつ高速で、壊れやすいプロダクトをピッキングできるロボットシステムを構築し、「薄く壊れやすいプロダクトのピッキング」の課題解決にいたった。

今後は、製造現場での実証試験を経て仕様を確立し、早期の製品化を目指す。