2024年06月28日 13:15

NEC通信システムは、養豚管理獣医師の大井宗孝さん指導のもと、5月より実養豚農場にてDX化とアニマルウェルフェア対応の実証実験を開始した。
紙による管理の場合には、現場で記入して現場に残す紙(母豚カードなど)に加え、事務所でデータ入力するための転記、現場作業終了後に事務所に戻ってから転記した集計記録を用いてのパソコンへのデータ入力が必要。
本実証実験では現場でタブレット入力することにより、即座にクラウドシステムにデータが送られ記録・蓄積され、事務所とタブレット端末にてデータの集計結果の閲覧、分析が可能となる。これにより飼養管理以外の作業の大幅な時間短縮が可能となることを確認できた。
このほかタブレットの入力操作では、できるだけ手書き入力をなくし、必要な入力項目を選択肢から選ぶ方式など簡易操作を実現した。今回の実証実験で紙による管理に比べて、試算ではデータの記録と処理作業時間を60%削減できる見込み。
また、各母豚の出産履歴のデータをもとに母豚の成績順位が容易にわかるため、優良母豚と不良母豚の把握が容易になった。正確な母豚成績把握による精密管理により、試算では一母豚あたり年間0.18頭、母豚1000頭あたり、年間180頭の出荷増を見込める。通常の飼養管理の延長線上で、アニマルウェルフェアの達成度の見える化が可能であることも確認した。NEC通信システムは、更なる実証実験に参加するトライアル農家を募集している。