2024年03月13日 16:01

石川県山代温泉の温泉旅館「界 加賀」では、2023年4月19日に日本で初めて温泉旅館内に誕生した「金継ぎ工房」の利用者が、工房オープンから約10カ月で1800人を突破。スタッフによる累計修復数は500点を超えたほか、金継ぎに従事したスタッフは工房オープン時より4人増え、累計38人となった。
同施設では、2015 年の開業当初より九谷焼や山中塗の作家の器を用いてきたが、毎日使用することで、どうしても器の劣化や破損が生じる。それを廃棄するのはもったいないと感じた元蒔絵師のスタッフが、自分たちの手で大切な器を守っていくことを目的に、2019 年から金継ぎの技術を界 加賀のスタッフに広めた。
2021年には、宿泊者にも金継ぎの技術や器を大切に扱う想いを知って欲しいと、器に施された金継ぎを解説する「金継ぎ語り」、金継ぎされた抹茶椀を使った茶の湯にまつわる体験、金継ぎでアクセサリーを作るワークショップなども開催。より本格的に金継ぎの活動に取り組んでいくため、2023年4月19日に界 加賀施設内に「金継ぎ工房」が誕生。また、宿泊者が金継ぎの一部の作業を体験できるプログラム「金継ぎいろは」をスタートした。
現在、工房では、天然漆と自然の材料を用いた本格的な技法で、スタッフ自らが日々、修復作業を行っている。宿泊者も修復作業の見学、作業への参加ができ、その後滞在中の様々な場面で九谷焼をはじめとした工芸品に触れることで、器を取り巻く豊かな文化に触れることができる。詳しくはこちら。