2024年02月29日 09:40
住友商事とOrient Overseas Container Line(OOCL)は、電場技術を活用し、長期間の鮮度維持を可能とした冷蔵海上輸送する業務提携契約を締結した。
電場技術とは、高電圧を印加し、微弱な電場を食品に与えることで氷点下における食品の非凍結温度を低減させる技術。住友商事はMARS Companyが実施した電場コンテナの開発を機に、電場関連機器の開発を行う第一施設工業とOOCLの協力を得て、電場コンテナ調達の仕組みを確立した。また住友商事は電場環境で真空度の高いシュリンク梱包を食品に施すことで、食品の非凍結温度を下げ、鮮度保持効果を上げる「食品輸送方法」に関する特許なども取得した。OOCLは世界最大規模の国際コンテナ輸送と総合型物流を行う企業で、100以上の主要都市に130の拠点を持ち、グローバルな顧客基盤を有している。
2社は、同サービスを基に冷蔵海上輸送の展開を図り、鮮度保持物流の新しいスタンダードの確立を目指す。同サービスが普及することによって、従来不可能だった遠方からの冷凍ではない冷蔵品の海上輸送を実現し、世界に点在する魅力ある食品を新たな消費地へ届けることができる。同時に、生鮮食品の輸出促進を目指す地域のニーズに応えることで、供給地の多様化を通じた食品の安定供給に寄与する。また、同サービスを通じて消費期限延長によるフードロス削減効果がもたらされることに加え、航空輸送から海上輸送への切り替えが進むことで、温室効果ガス排出・輸送コスト削減の効果も期待される。