2024年01月29日 12:20

大林組は、施工の自動化によるさらなる生産性向上を推進するため、耐火被覆吹付けロボットの新型機(2号機)を開発した。

鉄骨造の建築物では、鉄骨の火災損傷を防ぐために耐火被覆処理が行われる。同社は、2019年に耐火被覆吹付けロボット(初号機)を開発し、中高層オフィスビルを中心に複数の建設現場で使用している。耐火被覆吹付けロボットの、安定した施工品質を担保した上での施工歩掛り(1日あたりの吹付け面積)は、吹付け技能工による作業と概ね同程度であり、導入による省人化は、施工技能者不足を解決する一助となっている。一方、使用を重ねるなかで、さらなる生産性や品質の向上に向けた小型化・軽量化へのニーズや、吹付け箇所の位置合わせに要する手間、ロボットと鉄骨梁との相対誤差の把握など、いくつかの課題が出てきた。今回開発した新型機(2号機)は、機能改良を加えることでそれらの課題を解決した。

耐火被覆吹付けロボットは、あらかじめ登録した作業データに従って現場施工エリア内を走行し、所定の吹付け位置に停止して作業を開始する自律移動機能を搭載している。新型機では、位置決め時の測位法に測量で利用されている後方交会法を採用することで、より正確な自律移動を実現した。また、既存の耐火被覆吹付けロボットと同様の作業性能を保ちながら、横幅500mm、重量500kgの小型化・軽量化を実現。これにより、現場施工エリア内での操作性が改善し、仮設エレベーターを用いた運搬作業などがスムーズになる。

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