2023年12月05日 19:44

帝国データバンクは、2万6972 社を対象とした2023年11月の国内景気動向を調査・集計し、景気DIとして発表した。

2023年11月の景気DIは前月比0.1ポイント増の44.8となり、2カ月連続で改善した。国内景気は、個人消費関連が低調だったものの、インバウンド需要や活発な公共工事の下支えで小幅ながら改善が続くなか、業界や地域で二極化傾向が鮮明に。また、堅調な自動車関連やインバウンドをはじめとする観光需要が下支えし、10業界中4業界、51業種中30業種で改善した。

地域別では、10地域中5地域が改善、5地域が悪化。堅調な自動車生産や新車販売などが押し上げたほか、公共事業の増加も地域経済を下支えした。規模別では、「大企業」「中小企業」が2カ月連続で改善、「小規模企業」は2カ月ぶりに悪化した。一方、観光DIは48.1と9カ月連続で全産業の景気DIを上回った。特に「宿泊サービス」と「旅客輸送サービス/輸送設備レンタルサービス」は過去最高を更新した。

今後は、設備投資やインバウンド需要の一段の拡大が見込まれるなかで、特に個人消費の行方が焦点となる。他方、人件費の増加や人手不足の長期化、2024年問題などは悪材料。今後の国内景気は、賃金動向に注視しつつも、設備投資やインバウンド需要の拡大により、横ばいで推移するとみられる。