2023年11月15日 09:49

商船三井と九州電力は、両社が建造を進めていた環境負荷の低いLNGを主燃料とするパナマックス型石炭専用船を11月14日竣工し、運航を開始した。
同日、名村造船所の伊万里事業所にて命名竣工式を行い、本船を「苓明(れいめい)」と命名した。九州電力苓北発電所(石炭火力)の「苓北」と「夜明け」を表す「黎明」に由来。安全航行を始め、輸送船の未来を明るく照らしていくようにという願いを込めている。
本船は、LNGを燃料とする大型石炭専用船で、商船三井が運航を行い、九州電力の石炭火力発電所向けに海外から石炭を輸送する。LNGは従来の船舶燃料油に比べて、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)は約30%、硫黄酸化物(SOx)は約100%、窒素酸化物(NOx)は約80%の排出削減が見込まれる。本船は11月14日に佐賀県の伊万里港を出港後、11月15日に福岡県の戸畑港で陸上のLNG出荷設備から本船へ直接燃料を供給するShore to Shipでのバンカリングを実施予定。本船ではこのShore to Shipに加え、今後LNGバンカリング船によるShip to ShipでのLNGバンカリングも想定している。商船三井と九州電力は今後も、安定した燃料輸送の継続と環境負荷の低減の両立に向けて積極的に取り組んでいく。