2023年11月10日 19:10

文学通信では、日本近世文学会が編集した、和本の魅力を伝えるグラフ誌「和本図譜 江戸を究める」を刊行する。

本書は昭和26年12月、日本近世文学研究を促進しその発展に資することを目的として設立された「日本近世文学会」設立七十周年記念出版。歴史のかなたにある遠いもの…と感じられがちな、江戸の和本。本書は、そうした和本を身近に思えるよう、いままでになかった視点から、写真で魅せていく和本のグラフ誌。掲載図版は200点超。48のキーワードから、和本のいろはが総天然色で楽しめる。

ビジュアルで楽しむだけではなく、研究の楽しさも伝える「研究のバックヤード」も掲載した。学術論文は専門用語が多く、多くの先行する研究の蓄積の上に成り立っているもの。一読していきなり理解することは決して簡単ではない。そこで「研究のバックヤード」では、研究者が研究者にインタビューを試み、それをレポートした。研究者の頭の中の面白さや、論文に秘められた知をひもとく格好の水先案内の役を果たしている。

パラパラ眺めてもじっくり読んでも楽しめる、江戸の本と研究についての本。「間口は広く、奥行きは果てしなく」を合い言葉に、日本近世文学会の日々の営みをまるごと詰め込んだ一冊となっている。定価1900円(税別)。詳しくはこちら