2023年11月08日 15:38

鹿島建設、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と芝浦工業大学の3者は、鹿島を代表者として2021年から国土交通省の公募事業「宇宙無人建設革新技術開発推進事業」に参画。研究開発を進めている。
このたび、鹿島が神奈川県小田原市に所有する「鹿島西湘実験フィールド」とJAXA相模原キャンパスを結び、自動遠隔建設機械による月面環境での作業を想定した実証実験を実施。その結果、月面での永久陰領域等での施工に必要となる構成技術、要素技術の妥当性を確認することができた。
鹿島は、2009年から建設機械の自動運転を核とした次世代建設生産システム「A4CSEL(R)」(クワッドアクセル)の開発を進め、ダム工事を中心に多数の実工事に適用している。2016年からは、A4CSELをベースにJAXAや複数の大学と共同で、月面拠点建設の実現と地上での展開・活用を目的とした自動運転と遠隔操作による連携作業について研究開発を進めてきた。本事業では、これらの成果を発展させて、月面での建設作業を想定した研究開発を進める。
今回の実験では、GNSS等の測位システムがなく、通信遅延が発生する環境でも、複数の建設機械が土砂の掘削・運搬作業を効率的に行うことができた。それにより、月面の永久陰領域等での作業に必要となる構成技術、要素技術の妥当性を確認。今後、今回の一連の作業を精緻に再現するシミュレータの開発を進め、実証実験で得られたデータや月面環境データを活用して、月面上での作業を模擬する段階につなげていく。