2023年09月01日 15:52

DNPメディア・アート(DMA)は、できるだけ多くの多様な人々にとって読みやすい形式の「LLマンガ」の制作サービスを8月に開始した。
読み書き障害(ディスレクシア)や自閉症等の人、視力の衰えのある高齢者、日本語を母語としない人など、書籍を読むことに困難がある人々にとって、読みやすく制作する本「LLブック」が海外を中心に流通している「LL」は、「やさしくてわかりやすい」という意味のスウェーデン語・Lattlast(レットラスト)の略で、できるだけ多くの人に読書の楽しみや必要な情報を提供することを目指してつくられている。こうした考え方や技術・ノウハウをマンガに展開させたものが「LLマンガ」だ。
2019年6月に国内で「読書バリアフリー法」が施行され、障がいの有無などに関わらず、すべての国民が等しく読書できる環境を整備する必要性が一層高まっている。そうしたなかでマンガのコンテンツは、ページの構成やコマ割り、説明・表現などが複雑な場合もあり、すべての人にとって理解しやすいとは言えない状況だった。今回DMAは、読書のバリアフリー対応に対して、この取り組みをマンガコンテンツにも広げ、「LLマンガ」制作のガイドラインとフローを構築して、サービス提供を開始。これにより、日本語のマンガコンテンツを読むことが困難な人も含めて、できるだけ多くの人がマンガを楽しむことができる環境づくりを目指す。