2023年08月02日 15:39

日本航空(JAL)、南紀白浜エアポート、日立が2022年3月から実施している「保安検査を支援する人工知能(AI)技術の実用化に向けた実証実験」。このたび、全国で多くの空港の保安検査業務を手掛けるセノン社が、8月2日より参画する。
本実証実験は、主に手荷物検査のX線検査装置を活用した保安業務を対象としている。既存のX線検査装置の操作はそのままに、AIがX線画像における制限品の判定について視覚的なサポートを行い、検査員の負荷を軽減。さらに10月からは、複数のX線検査装置の画像を一つの画面で検査できる「X線検査判定支援ソフトウェア」の新機能である集中監視機能を導入予定。これにより一人の検査員が検査可能なレーン数が1レーンから複数レーンに増加可能となることを検証する。
これまでの技術検証や制限品に関する最新情報や他空港での知見をAIに学習させるだけでなく、セノンの参画により、検査員の目線でより使いやすくストレスのない検査を支援するアプリケーションの実現が期待される。
本実証実験により、AIと検査員が協働する仕組みを構築することで、空港の保安検査業務の高度化および増加する航空需要に対して検査待ち時間を短縮。検査員の業務量の、約20%削減をめざす。それにより、安全・安心の継続確保と利便性の向上を両立させ、シームレスでかつストレスフリーな空の旅を実現する。