2023年04月28日 15:50

東京貿易ホールディングスのグループ会社であるTBグローバルテクノロジーズ(TBG)は、川崎重工業と開発した液化水素用鋼管型ローディングアーム(LA)実証荷役を達成、成功した。

神戸水素基地において、「液化水素用 鋼管型LA(口径:6“)」を用いて2月24日に液化水素を積荷。3月4日に揚荷を行い、無事に初荷役に成功。これは鋼管型LAの液化水素荷役においては世界初の快挙となる。

「液化水素用 鋼管型LA」の開発は、将来のカーボンニュートラル社会のサプライチェーン構築には必須と考えられている。内閣府SIP事業(戦略的イノベーション創造プログラム)の1つの研究開発テーマとして、2014年度より開発が開始された。LNG(-162℃)を更に下回る液化水素(-253℃)の領域では、既存の低温技術のみでは対処できず、LAを構築するスイベルジョイント、ERS(緊急離脱システム)、パイプ部を含む全体で新たな構造を要する。

TBGは真空二重管構造をLA接液管全体に適用。かつスイベルジョイント、ERS部は入熱・伝熱に対する対策を講じ、またシール材の適合試験、液化水素実液での試験などトライアル&エラーを繰り返し、今の設計仕様・構造を作り上げた。SIP事業として約5年間をかけ、2018年度に試作機の試験に合格し、さらに2022年度には神戸水素基地へ据付・納入、そしてこのたび初めての荷役に成功、完了した。