
KLabと九州大学 情報基盤研究開発センター 附属汎オミクス計測・計算科学センターは、「機械学習による新たなゲーム体験の創出の応用」についての共同研究を開始する。
KLabと九州大学櫻井大督研究室は、2021年3月に生成AIに関する共同研究を開始した。2021年度にはリズムアクションゲームの譜面制作を支援する生成AIの研究に取り組み、2022年度からはゲーム内に生成AIを組み込んで新たなゲーム体験を創出する研究を開始し、様々なタスクに応用できる知的エージェントの基本アーキテクチャを開発した。今年度は、その技術をさらに発展させて実際のゲームにて実証実験を行う予定だ。
ゲームキャラクターをはじめとする様々な自律エージェントの振る舞いは認知・判断・行動の繰り返しとして捉えられ。画像認識・音声認識・言語理解といった識別AIの昨今の発展により、エージェントを取り巻く様々な状況を正しく「認知」することができるようになった。また、最近の生成AIの高度化によって、様々な「行動」をも動的に生み出すことができるようになりつつある。識別AIが抽出した記号を処理して行動AIに適切な指示を送る推論AIが開発できれば、エージェントに「判断」能力が備わり、幅広いタスクを行える自律エージェントを実現できる可能性がある。今回の共同研究では、昨年度に開発した推論AIを発展させ、実際のゲームに組み込んで有効性を検証する。同アーキテクチャは、ユーザーと高度な連携プレイをするキャラクターや、話しかけるたびに違った反応をするキャラクターなど、ゲーム体験を豊かにする幅広い応用が見込まれる。