2023年03月01日 15:59

誠文堂新光社より3月14日に、「染錦の技法」が発売される。著者は、厚生労働大臣認可一級技能士(陶磁器絵付け)である、有坂多絵子(ありさか・たえこ)さん。三大絵付け産地である有田、瀬戸、九谷で第一線の陶芸家から技術を学び、教室などで教える。精緻かつ華やかな絵付けにはファンが多い。

染錦は、下絵付けと上絵付けを組み合わせた、絢爛豪華な絵付け芸術の最高峰のひとつ。その華やかな仕上がりは、陶磁器絵付けの道を本気で志したことのある者なら、誰しも一度はあこがれるもの。しかしこれまで染錦の制作技法は、陶磁器絵付け産地の技術者や芸術家のみが知るところで、一般の陶芸家には敷居の高いものだった。そのためこの分野の専門書はほとんど存在せず、部分的な情報のみが時折雑誌などで流出する程度だった。

本書は、陶磁器絵付けの本場で修業した著者が、染錦を描くという点に特化して、包括的に解説した一冊。染錦の基礎知識から、使用する道具や材料、下絵付け(染付)、上絵付の流れと実践、注意すべきポイントなどを豊富な写真とともに詳述している。

また、QRコードでYouTube動画と連動しているので、理解しやすくなっている。巻末には、人気の伝統柄や著者オリジナルの精緻なデザインの図案を多数掲載。掲載された31作の図案は、これからの創作にきっと役立つはず。定価4950円(税込)。誠文堂新光社 書籍紹介ページはこちら