2023年01月23日 19:28

富士通は、ドイツのサーキット運営会社であるNürburgring 1927 GmbH & Co. KG(ニュルブルクリンク)におけるレースの安全対策に、AI技術を活用する包括的な支援を行っている。その第一弾として、世界最長で、多数のカーブを持つ難易度の高い同社の常設レーストラック「ノルドシュライフェ」に、AI技術を活用した安全対策強化に向けたシステムの実証実験を2022年に実施。このたび2023年1月より、本導入を開始する。

実証実験では、レーストラックの内、2.8キロメートルの区間に8台のHD(ハイビジョン)カメラを光ファイバーケーブルで接続。それとともに、AI機能を搭載したシームレスなシステムを構築した。これにより、HDカメラからの映像をAIがリアルタイムで監視および判断し、レーストラック上のLEDディスプレイを介して即座に危険をドライバーに警告できる。それにより、ほかの車両や人との接触事故などを、未然に防止することが可能になる。

ニュルブルクリンクは、2025年のグランプリレースシーズンまでに本システムの実運用開始を目指している。当社は、本実証実験による有効性検証を踏まえ、今後2年間で「ノルドシュライフェ」のレーストラック全域に、追加のHDカメラ100台の増設とAI機能の強化を実施。「ノルドシュライフェ」の約21キロメートルの監視による安全対策を支援していく。