2022年12月05日 09:14

凸版印刷は、刀剣の高品質デジタル鑑賞体験システムを開発した。

同鑑賞体験システムは、高精細なアーカイブデータを遅延なく描画でき、更に自身のスマートフォンをコントローラーとして使用して直感的に3次元で動かしながら操作できることで、拡大や縮小をスムーズに行い、さらに実際に刀剣を手に取り鑑賞する所作を疑似体験することが可能だ。今回、岡山県瀬戸内市の協力のもと、国宝「太刀 無銘 一文字」のデジタル展示を、12月3日より備前長船刀剣博物館で開催されるテーマ展「刀装具-使う・見せる・彩る-」での山鳥毛の拵「合口造鞘黒蝋色塗柄革巻拵「国宝 太刀無銘 一文字(山鳥毛)附」」の特別陳列に併せて期間限定で初公開する。

凸版印刷は、2月に、手元で刀剣の輝きを堪能できるスマートフォン向けアプリ「刀剣鑑賞」の販売を開始した。今回、刀剣鑑賞体験を最大化することをテーマに、スマートフォンアプリでは圧縮して使用していた高精細なデジタルアーカイブデータをそのまま使用することで、その品質を最大限に生かした緻密な質感表現を高輝度ディスプレイの大画面で体感する鑑賞システムを開発した。これにより、刀剣を大画面で原寸大やそれ以上に拡大してみることができたり、刃文を構成する沸や地鉄や地沸まで鮮明に確認できるなど、より細部まで刀剣の特徴を捉えることができるようになった。更に、各自の端末からQRコードを読み取り、スマートフォンでの画面タッチ操作の感覚で大画面の刀剣を操作することを可能にし、刀剣を自由に鑑賞することと、端末の傾き値を元に端末を刀剣に見立てたような操作の両方を、直感的に体験できるようにしている。

凸版印刷