2022年11月14日 09:42

オーシャンソリューションテクノロジー(OST)、双日九州、鹿児島県、鹿児島大学は、地域課題である赤潮の被害回避を目指し、衛星データプラットフォーム「Tellus」を活用した赤潮の移動先を予測するAIアプリ(赤潮AI予報)を開発し、県内の漁協にて実証を行う。

「Tellus」は、衛星データを利用した新たなビジネスの創出促進を目的とし、経済産業省事業として、双日の主要グループ会社であるさくらインターネットが開発・運用する日本発の衛星データプラットフォームだ。

八代海では、赤潮により養殖のブリやシマアジなどの漁業被害が相次いでいる。2022年の被害額は、9月末時点で、鹿児島県海域では915万円、隣接する熊本県海域ではすでに過去2番目の19億2000万円となっていて、赤潮被害の対策は地域共通の課題だ。今回の実証では、過去の衛星データと海上の定点観測データを分析して赤潮の移動や拡大傾向を導き出して漁業者に提供。さらに、データ集積をもとに赤潮AI予報を開発し、鹿児島県内の漁協の協力を得て、2023年3月までアプリの使用感や導入効果の検証を行う。

OSTは、漁業者向け漁獲予測アプリ「トリトンの矛」の開発・運用実績があり、赤潮AI予報アプリのソフトウェア開発全般を担当。双日九州は、八代海や玄界灘で養殖された水産物の輸出・販売の実績があり、既存事業のつながりを活用した事業化支援を行う。鹿児島県は鹿児島県水産技術開発センターが保持する過去の赤潮発生時の水質データの提供、新産業創出に向けた支援を行う。鹿児島大学は、大学が保持する技術の活用支援や地域のDXに関する支援を行う。

Tellus