2022年02月17日 09:45

福岡工業大学の石田研究室は、避難所の混雑状況をパソコンやスマートフォンでリアルタイムに可視化する「混雑状況可視化システム」を開発した。
新形コロナウイルスの感染拡大を受けて、大規模災害の発生時の避難にはより複雑かつ困難な対応が求められている。被災者の命を守るための迅速な避難が求められる一方で、感染拡大を防ぐための過密化の回避も求められる。民間施設などを活用した分散避難の実現も必要だ。こうした中で自治体は増加する避難所の管理を適切に行うことができるのか。そのための人員不足などの課題に直面している。「混雑状況可視化システム」を通じて避難所の人員収容状況をデジタルすることで、災害対策本部での避難所管理や支援を円滑に行うことが可能。また、被災者が避難する際に混雑状況をリアルタイムで可視化することで分散型避難を初動の段階から実現し、「迅速な安全確保」と「感染リスクの低減」を両立することができる。
同システムは避難所に到着した被災者のスマートフォンを自動的にシステムにアクセスさせ、情報を入力してもらう仕組み。避難所に入った被災者の端末に自動的にアクセス画面を送信(BLEビーコン)、端末やカメラをかざしてもらう事でシステムにアクセスしてもらう(NFCタグ、QRコード)方法を想定している。民間避難所などを活用した分散避難を実現した場合、増加した各避難所においてどのように情報収集を行なうか、対応にあたる人手が課題になる。システムへのアクセスを半ば自動化することで同システムはこうした課題を解決することを目指している。