2022年02月03日 19:00

大日本印刷株式会社(DNP)は、オリジナル書体「秀英体」の開発に関わる歴史的資料を中心とした、活版印刷に関する技術資料をデジタルアーカイブ化。「秀英体・活版印刷デジタルライブラリー」として2月2日に一般公開した。

近年、文化的・歴史的な価値を持つコンテンツをデジタルアーカイブ化して、インターネットで公開する取り組みが世界中で進められ、それらを横断的に活用する環境も整備されている。一方、企業が保有する資料は、そのほとんどが一般に公開される機会がない。そのため研究者が企業の資料を利用することが難しく、資料の存在自体を知ることもできない場合もある。

そこでDNPでは、事業の原点である活版印刷と「秀英体」活字に関連する社内資料をデジタルアーカイブ化。国際標準のIIIFに準拠した高解像度の画像データ群として「秀英体・活版印刷デジタルライブラリー」を公開する。本ライブラリーで公開する主な資料は、「活字の原図」と「活字見本帳」。

活字の原図は、昭和20年代から40年代にかけて1文字ずつ手作業で描かれたもので、開発の過程で細かいデザイン修正が重ねられた様子を知ることができる。大正から昭和にかけて発行された複数の活字見本帳では、当時の印刷所が備えていた漢字の字種・字形がわかる。また、文字だけでなく罫線や図案等の多様な活字が掲載されたものも。このデジタルライブラリーは、インターネットを通じて誰でも無料で利用することが可能となっている。