2022年02月02日 19:52

日本板硝子(NSG)は、高弾性・高強度ガラスファイバー「MAGNAVI(R)」を開発した。本素材は、耐熱性、電波透過性等のガラスファイバーの特性はそのままに、剛性と強度をさらに高めた新たなFRP・FRTP(繊維強化プラスチック)用補強材。
「MAGNAVI(R)」は、ガラス本来の特性とカーボンファイバーに優る耐衝撃性能を有しながらも、カーボンファイバーよりも低価格で、ニュートラル色調。そのため、従来のカーボンファイバーでは対応が難しかった、エレクトロニクスの分野や再生エネルギー関連分野をはじめとする多方面での用途展開が可能となる。
また、ガラスファイバーは、生産時に希土類元素(レアアース)を使用し、その弾性を高めることがあるが、「MAGNAVI(R)」はレアアースを一切使わない。そのため、環境負荷の低減し、また原料調達リスクの回避を実現している。さらに「MAGNAVI(R)」は、生産時のエネルギー使用・CO2排出量の削減も行うことで、環境配慮型製品として、脱炭素社会の実現にも貢献する。
エネルギー消費量の軽減を目的に、産業製品部材の軽量化、薄型化ニーズが高まっている。それらを背景に進む複合素材への材料転換の動きに対し、従来のガラスファイバーやカーボンファイバーでは対応の難しい分野に、ワンランク上のソリューション提供を目指す。既にサンプルワークを開始し、2022年下期より、津事業所(三重県)での生産体制を整備し、順次販売を拡大していく予定。