2022年01月28日 19:00

金継ぎを専門に事業を行う株式会社「つぐつぐ」では、2021年12月の売上が、創立以来過去最高となり、海外売上はその前年同月の26倍まで伸長した。

昔は大変貴重だった陶器・磁器は、壊れたら漆で接着して修復し大切に使われてきたが、室町時代にはそこに蒔絵(まきえ)の技術が融合。単なる修復ではなく、修復跡を金粉で芸術的に装飾する日本独自の修理方法として、金継ぎが誕生した。日本に古くからある漆などの自然の材料を使い、手間暇かけて行う金継ぎの技術が、日本独特の芸術として、またコロナ禍に分断された国や人々を継なぐ象徴として、海外から再評価されている。

同社では、海外留学経験のある代表が、世界へ向けて日本の伝統金継ぎの魅力を広めるため、2020年に主力商品である初心者用金継ぎキットを開発した。2021年には、日本が誇るブランド「TSUGUKIT(つぐキット)」として、商標の申請を開始。2021年12月、外国人観光客が大幅に減少している中、オンラインで海外からの商品注文が激増。1月4日に、TSUGUKITの国内商標が無事、完了した。

海外へはTSUGUKITの販売だけでなく、金継ぎされた器の販売も好調。同社では、壊れた器をドネーションなどで引き取り、金継ぎによりアップサイクルして美しく修理し、世界へ向けてオンラインで販売している。ただ美しい作品を生み出すだけでなく、今後もモノを大切に長く使えるよう、SDGsにも貢献しながら活動していく。