2022年01月26日 19:45

エスビー食品は、信州大学農学部河原岳志准教授との共同研究で、培養細胞に対して複数のスパイス・ハーブ抽出物に、インフルエンザウイルス感染を抑える効果を確認した。

香辛料は、漢方薬の原料として知られるものや、伝統的に抗菌・抗ウイルス作用があるとされてきたもの、風邪などの感染症対策として用いられてきたものも多い。信州大学河原准教授とエスビー食品は、スパイスとハーブによるウイルス感染抑制効果の研究に取り組んだ。

培養細胞株にて、ヒトA型インフルエンザウイルス(H1N1型)を用いて、20種類のスパイス・ハーブ熱水抽出物の感染抑制力を評価。結果、半数を超える11種類の熱水抽出物に、ウイルス感染後の増殖の指標となるウイルスタンパク質(M1)の発現量を抑制する効果があることを見出した。この中で「カルダモン」や「クミン」のウイルス感染抑制効果は、新たな知見であることが明らかとなった。また、インフルエンザウイルスに対する感染抑制効果が既に報告されているオイゲノールを含む「クローブ」や、シンナムアルデヒドを含む「シナモン」などのスパイスやハーブもあった。

さらに、今回検討を行った中で抑制効果の高かったタイムの熱水抽出物について詳細に検討したところ、ウイルス感染後の培養細胞への処理によっても抑制力を示した。エスビー食品は、今後もスパイスとハーブの機能性メカニズムに関する研究を信州大学と共同で推進し、科学的エビデンスの構築を目指す。