2021年04月26日 18:52

大和ハウス工業は、Proximar Seafood ASのアトランティックサーモンの閉鎖型陸上養殖施設を、「D-Project Industry 富士小山I」において4月26日より着工する。なお本施設は、日本最大級のサーモンの陸上養殖施設となる。

一般的な陸上養殖は海水をかけ流しにする施設が多く、コストは低く抑えられるが、海水を引くため、沿岸から離れた場所に施設を設けることが難しい。一方、閉鎖循環型陸上養殖は、海水を引く必要がなく、場所を選ばず建設できる。また外部環境の影響を受けにくいことに加え、水温や水質が管理しやすいため、魚に最適な環境を維持でき、餌や排せつ物による環境への負荷も抑えることができる。

そこで、同社は2018年1月より、プロキシマーシーフード社と小山町の3者で日本最大級の閉鎖型陸上養殖事業を実現すべく検討を開始。日本では、一般的にアトランティックサーモンは輸入に頼っているが、国産の安定した品質と一定量のアトランティックサーモンの供給を目指すべく、本施設の開発に着手することとなった。

本施設は、断熱効果の高い外壁パネルを採用するとともに、屋根を断熱シート防水仕様にすることで、通常の工場よりも断熱性能を高め、アトランティックサーモンの育成に配慮。また施設内の気流解析を実施し、空調ダクトの吹き出し位置を調整することで、効率良く室内環境が保てるよう設計した。また室内の陽圧管理をすることで、埃や害虫の侵入を防ぐ工夫を施すことに加え、水温の変化が生じにくいよう配慮している。