2021年03月03日 12:38

住友商事は、量子技術を活用した事業高度化、新事業創出を目指し「QXプロジェクト」(Quantum Transformation Project)を発足させた。

その一環として、イスラエルのコーポレート・ベンチャー・キャピタル「IN Venture」を通じ、量子コンピューティング活用に不可欠なソフトウェアのプログラミングを効率化する製品を開発するClassiq(クラシック)に出資した。量子コンピューターとは、量子物理学の法則を用いた全く新しい方式のコンピューターで、その計算速度は現在のスーパーコンピューターを凌駕すると期待されている。量子コンピューターには用途が限定されるアニーリング型と、より汎用的に使えるゲート型があり、アニーリング型の量子コンピューターで解決できるのが、最適化問題の処理とされている。

住友商事は、量子技術の成熟を見込み、さまざまな取り組みを進めている。2020年6月には、通販物流事業を行うグループ会社のベルメゾンロジスコにて、量子コンピューティングを用いた人材配置最適化実証を行った。これにより約30パーセントの効率化(全体作業時間の低減)が示唆され、事業実装に向けた検討が進んでいる。また、「QXプロジェクト」の取り組みとして、量子技術の社会実装領域における専門人材の採用に加え、東北大学大学院情報科学研究科と共同研究契約を、慶應義塾先端科学技術研究センターと応用探索パートナー業務委託契約を締結。今後量子コンピューティングを活用したAIや交通制御などの技術の実用化に取り組んでいく。

QXプロジェクトWEBサイト