2021年02月17日 12:27

凸版印刷は、高精度のくずし字AI-OCRを搭載し、古文書・古典籍をオンライン上で簡単に解読できるシステム「ふみのはゼミ」を開発した。
江戸時代以前に使用されていた「くずし字」は現代人には難読となってしまい、当時の記録・文献を解読する際の大きな障壁になっている。また、近年、大規模災害による資料アーカイブ手法の見直しや、資料の経年劣化や専門家の減少による文化継承の危機的状況などから、歴史的資料をデジタルデータとして保存することが求められている。これらのニーズを解決する新たな手法として、同社は2015年より国文学研究資料館との共同研究により、くずし字OCR技術の開発・実証を重ねてきた。
今回開発した、くずし字解読支援システム「ふみのはゼミ」は、くずし字で書かれた歴史的資料が容易に読める環境を実現。また、オンライン上でのグループワークを可能にしたことで、コロナ禍における学習・研究等にも活用できる。同サービスは、同社が2015年から研究・実証試験を行ってきたくずし字OCRをさらに発展させ、凸版印刷総合研究所が開発したAI-OCRの導入による文字認識精度の向上および、グループワーク支援機能や、解読効率を向上させるためのさまざまなノウハウが結集したシステムだ。パソコンやタブレットなどのブラウザ上で動作し、複数人での同時解読作業が可能になる。
価格は、「授業での利用」10万円~/半期(教育機関に限定し、週1回の利用を想定)、「ワークショップ・イベント等での利用」20万円~/1回、「翻刻会等での利用」7万円~/月額(すべて税別)。