2020年07月02日 14:00

アイエンターは、「手を触れずに魚のサイズを推定する装置(魚体サイズ算出装置)」にて特許を取得した。

養殖生け簀内の魚のサイズは、適切な給餌量や収穫高を把握するための重要な情報だが、従来、生け簀内の魚の成長管理は、直接網でサンプルとなる魚を掬いあげて測定するという手作業で行われていた。この方法では時間や人手がかかり、測定者によって誤差が生じることも少なくなかった。しかも、魚に傷が付くほか、傷が原因でほかの魚の魚病の原因になることもある。また、掬いあげて測定することができない魚などもおり、水の中にいる魚の育成状態を正確に把握しにくいという課題があった。

そこでアイエンターは、水産養殖漁業者と提携をし、先端技術のAIをベースに手を触れずに魚のサイズを推定する装置の開発をスタート。「魚体サイズ算出装置」を2018年11月22日に出願し、2020年4月20日に特許を取得した。今回開発した「魚体サイズ算出装置」は、持ち運び可能な水中ステレオカメラで魚を撮影し、ディープラーニングの物体検出技術によって魚体を検出、同時に魚の位置情報から、魚の体長と体高を測定する。測定したデータは測定記録のデータとしてデータベースに保存され、管理蓄積データの分析、活用を行う。

この技術の活用により、非接触測定で魚に負担をかけることがなく正確な測定が可能となり、計測による魚の斃死や魚病リスクも回避でき、高付加価値化が期待される。また、給餌量の最適化によるコスト削減、生産活動の省力省人化、担当者のスキルに依存しない測定精度と生産性の向上が実現でき、担い手確保の貢献に期待される。

アイエンター