2020年06月18日 15:07

資生堂は、「女性研究者サイエンスグラント」の受賞者10名を選出した。

STEM領域では、一般的にジェンダー間の格差が大きいことが課題となっている。日本において研究者に占める女性の割合は16.6%で、近年緩やかな上昇傾向にあるものの、世界では29位と諸外国と比較していまだ低い水準にとどまっている。この背景として、日本は出産・育児・介護などをサポートする環境が十分ではなく、女性の研究活動に及ぼす影響が大きいことも考えられる。

「女性研究者サイエンスグラント」は、次世代の指導的役割を担う女性研究者を支援することが科学技術の発展につながるという考えのもと設立され、今年で13回目を迎える。グラントとは「研究助成金」の意味で、受賞者には各100万円の研究助成金を贈呈する。この研究助成金は対象が化粧品関連領域にとどまらない幅広い研究分野であること、応募には年齢制限がないこと、研究を推進する目的であれば女性のライフイベント(出産や育児)のサポートなど幅広く使用できることといった特長があり、2019年までの受賞者119名のうち約4割の研究者が受賞後に自らの研究室を設け、研究活動にまい進している。

また、今年度より、WEBを活用した女性研究者同士の交流会を開催。WEBを活用することで、遠隔地から自由に参加することが可能となり、柔軟で多様な研究ネットワーク作りやロールモデルをより身近に感じることができるなど、多くの女性研究者が抱える課題を共有し、解決に向けた活動を支援していく。なお、今年度第1回目のWEB交流会は7月13日に予定している。

資生堂