2018年11月21日 15:22

資生堂は、国際医療福祉大学医学部形成外科学 松﨑恭一主任教授と生理学研究所との共同研究により、肌内部で起きる加齢変化を解明した。

共同研究では、電子顕微鏡解析技術を新たに開発し、細胞の微細な形状までも観察することに成功。この技術で真皮を解析したところ、若齢者の真皮の細胞は多数の突起を伸ばしているのに対し、高齢者の真皮中には、突起を失い、形状の変化した細胞(老化細胞)が観察された。細胞を用いた実験の結果、老化細胞は因子を分泌することで(老化因子)、周囲の細胞に悪影響を及ぼすことを確認。こうした「老化の伝播」により、真皮の加齢変化が起きることが明らかになった。

またこの「老化の伝播」を真皮の幹細胞が抑制すること、加齢で著しく減少するこの幹細胞が、高齢者の肌でも皮脂腺周囲に豊富に存在すること、さらにアイリス抽出液が、幹細胞を誘引することを発見。幹細胞を活用することで肌の若返りが期待できる本研究成果を、今後の製品開発へ応用していく。